バンコク校 塾長ブログ 小4までに習得したい7つのこと
佐鳴予備校の教師になり約15年。また、私自身小学2年生の息子がおり、それもあってか、最近は低学年の保護者の方に「いつまでに何をやらせるのがいいですかね~?」と相談をたくさん受けるようになりました。
時が経つのは、ホントはやいですね。
教師になりたてのころは、保護者の方より生徒たちの方が年齢が近く、保護者の方から見守っていただいていたように思います・・・(それじゃダメですが 苦笑)
そんな私が、いまや保護者の方と同年代になっています。
Time flies like an arrow.
光陰矢のごとし
今日は、私なりの教育哲学「中学受験をしないけれど、小4終了時までに身につけたい・習得したい7つのこと」についてまとめたいと思います(「無理やりやらせる」のではなく、自立させながらどうやったら身に付けられるかについては、一人ひとりの生活スタイルや、性格、家族のスタンスにもよるため記載できませんが)。
今日は教育哲学のため、とても長くなりそうです・・・
お読みいただく方、覚悟してお読みくださいませ m(_ _)m
小学4年生までに身につけたい7つのこと
・「算数の壁」を乗り越える算数力
・単純暗記力
・自宅でする読書習慣(間接体験、語彙力向上、文字の処理速度向上)
・(フツーに)体力
・家の手伝い(家はあなたのくつろぎの場であるが、家族のくつろぎの場でもあることを理解)
・相手がいるなかで、先を読んで考える力
・空間を把握する力
【「算数の壁」を乗り越える算数力とは】
まず、小学4年生~5年生に「算数の壁」というものがあると、教育界で有名です。
その「壁」とは何なのか、大きくは2つです。
◆1、2ケタの計算が頭でパッとできる
◆2、抽象的な文章題が解ける
~「例」に興味が無い方は20行ぐらい下からお読みください~
【1の例】
①98+76
②24と36の最小公倍数
※①では、筆算は使わず2通り
・「98を100に2足りない数」という認識をして、「100+76-2」と持っていって174
・90+70で160 8+6で14 二つを足して176
※②でも、筆算は使わず2通り
・24→48→72→96と、24×2や3などを頭で計算
・前の数に24ずつ足していくのを頭で計算
【2の例】
1組と2組合わせて70人がいて、1組の生徒は2組の生徒より2名多いです。今日はレクリエーションの時間に全員がフルーツバスケットかおにごっこに分かれて遊ぶことにしました。フルーツバスケットに参加した生徒は全部で30名で、2組のほうが8名多く参加していました。さて、そのとき1組の生徒でおにごっこに参加した生徒は何人でしょう。ただし、全員がどちらかに参加したものとします。
※書いてある数字を足す・引く・かける・わるだけでは解けない文章題が4年生から出始めます
この壁があるので、これをかる~く飛び越せる準備が必要です。
【準備】
◆1、普段から筆算にたよらず計算させる
(お母さんの「ちゃんと筆算なさい!!」という口癖が壁にぶつかる子を作りやすくなります!!お気をつけください!!)
◆2、テストや宿題などで文章題をやっていて、「なぜ足すのか・引くのか・かけるのか・割るのか」など、計算式の意味、そして文章を自分なりに言い換える練習を、間違えているたびにきちんと教える
(学校のテストで点数がある程度取れているから大丈夫と高をくくっていると、中学数学ではまることがあります)
・1の場合、「公文式」や「ドリル学習」などが効率的です。
・2の場合、「サイパー問題集 どっかい算 ○年生用」などで練習するのが効率的です
これだけです。
【単純暗記力とは】
これは、物事を理論立てないで暗記するという意味で使っている私が勝手に名づけた言葉です。
妖怪ウォッチの妖怪名でも、植物の名でも、車の名でも、プリキュアの名でも何でも良いので「これはこういう名前」という暗記を幼いうちからガンガンしていくことです。
ただし、カードゲームやポケモンのような自分で動かしていくゲーム性のもので暗記をしても効果が薄いように感じます。なぜかは分かりませんが・・・
【自宅でする読書習慣とは】
なかなか身に付かない読書習慣という相談も良く受けますので、これはまたいつの日かひとつのブログにまとめて書きます。息子の経験を踏まえると50行ぐらいになりそうですので・・・
今回は少しだけ書いておきます。
本屋に行き子ども自身が選んだ本を購入します。選んだ本に対して保護者の方は絶対に異議を挟まないでください。もし買っただけで読まなかったとしても、繰り返し本屋に行き、選ばせて購入します。お金の無駄ではありません。いつか積読のなかから時間があったら手に取ってみる行動が出るはずです。それに期待するのが一番効率的です。また、家の中での時間共有として、テレビ・パソコン・スマホなどの電子機器に全く触れない時間を意図的に作らない限り、本を自発的に読む子にはなりません。どう考えたって、映像があり動いてくれたほうが、理解しやすいし面白いと感じやすいはずです。現在小学生で読書習慣がなく、そういった電子機器ゼロ時間が家庭内で共有できないならば、夜寝る前に読書をして寝るのがいいですかね。ただ、目が悪くなるのが気になるところです・・・もしくは常々お母さまかお父さまが本を読み続ける姿を見せることですね。
また、名作や意味のある本を探し(与えて読ませ)がちですが、押し付け読書はいつか自発的に本を読まなくなります。また、図鑑は今回身に付けたいことには関係がありません。人間心理が書いてあればよいと考えると、サバイバル系のマンガでも、ギャクマンガでもスポーツマンがでもOKですが、格闘バトルものは、人間心理が「強い・弱い」だけで決まるため、あまり関係がないように思います」
【体力とは】
「とは」も何も、体力です 苦笑
中学生に上がった際の定期テスト勉強などもですが、体力は集中力の持続時間と絶対に関係があります!小4までに人並みかそれ以上の体力を培っておくことは、「後ノビ」に関係してきますし、肉体的な差が自信にもなり、劣等感にもなる時期です。運動神経ではなく、体力なので誰にでも身につけられます。
【家の手伝いとは】
「家の手伝い」をすることで身につけたいのは、「率先してやるべきことを先んじてやる習慣」をつくることです。実際、家の手伝い以外で「率先してやらなければ、自分以外の誰かが困る」ということがほとんどありません。宿題も勉強も遊びも運動も、やらなければ自分が困るだけです。
そのため、「やりたい/やりたくない」という気分で動く性格が改善に向かわず、「性格だから仕方ないか・・・」で終わってしまうことがあります。
家の手伝いはやらねば絶対に誰かが困ります。お風呂掃除、トイレ掃除、お父さんの靴磨きなど、何かひとつ「1人で出来る、家族のための仕事」を持ち、「言われなくてもやる習慣 = 率先力」を身に付けることが大切です(もちろん、率先力を性格上持っている子には、この手伝いは不要です)。
【先を読んで考える力とは】
トランプ、将棋、立体四目、オセロ、モノポリー etc
なんでもいいのですが、「相手があって、その相手の先を読む」という戦略的な目を身に付けておきたいです。ボードゲームやカードゲームでけっこう簡単に身に付きます。戦略的な目は、高学年以降の論理思考につながりやすいとわたしは思っています。また、神経衰弱は単純暗記にも役立ち、ナンバー10という神経衰弱のように全て伏せ、数字を足して「ちょうど10」になったらそのカードをもらえる【J・Q・Kは全て10とカウント】遊びは、年長・小学1年初期に暗算で10のカタマリを覚え、、単純暗記も鍛える一石二鳥の遊びです。
テレビゲーム、DSなどはLIVE感がとても強く同時並行なので、「相手を読む」というより「反射神経」が鍛えられているように思いますので、「戦略的な目」は鍛えられないですね。
【空間を把握する力】
空間を把握すると立体だけのイメージが強いですが、紙ベースで図を頭の中で動かせる力というんでしょうか・・・、そういった力を身に付けたいです。本来はジャングルジムや木登りなど、大人が危ないと感じる遊びではぐくみたいのですが、タイには場所がないですからね・・・BOUNCEに毎日行くわけにはいかないですし。そのため、紙ベースの何かで練習するしかありません。
以上、「小4終了時までに習得したいつのこと」でした。
やはり長くなりました・・・お付き合いいただきありがとうございます。
あくまで私の教育哲学ですので賛否両論あると思います。ただ、どんな子も必ず伸びますし、しかもそれが早い時期であればあるほど伸びる方向に進みやすいとも思っています。おととい(2017年8月16日)も、サナスタと読書作文の力を受講している2年生の成長に驚き!
生徒の成長のために今日も邁進いたします。自分の成長がないところに、生徒の成長もありません!時代はガンガン進んでいますので、1年後にはこの哲学も変化しているかもしれません
佐鳴予備校 バンコク校 塾長 横洲(よこす)